自然界の放射能
                                        2011.11.22追加
目次
● 自然界の放射能
● 2009年のセシウム137沈着量、土壌調査結果
● 宇宙からの放射線
● 地殻放射線
● 飲食物からの被ばく
● 大気中の放射線源
● 東京都周辺の人口建造物のカリウムマップ
● 自然放射線からの被ばく

自然界の放射能

自然放射線の分類方法はその起源によって分類する事が出来ます。
主に宇宙線 天然放射性核種(原始放射性核種)からの二つに分類することができます。
日本人が受ける自然の放射線による被ばくは、平均で宇宙線から年間ほぼ390マイクロシーベルト、地殻・建材などからの自然放射性核種から年間480マイクロシーベルトの外部被曝を受けています。
もちろん、これは平均値であり住んでいる標高や地殻の種別によって大きな差がでます。
さらに、木材などは地殻中のカリウム40や炭素14などを吸い上げて建造物放射線として君臨しています。
コンクリート建造物は花崗岩などに大量に含まれるカリウム40を大量に含んだまま建造されるために都市部では人口建造物放射線が高くなります。
そして植物から体内に移行し体内に蓄積している自然放射性核種(カリウム40、炭素14)から年間ほぼ290マイクロシーベルトの内部被曝を受けています。
これらに加え、空気中に含まれているラドン希ガスから年間約1260マイクロシーベルトの被曝を受けています。
これらから、外部被ばく、内部被ばくを合わせて自然界からは年間2400マイクロシーベルト(2.4ミリシーベルト)前後もの被曝を受けている事になります。
つまり、今言われている年間被ばく量1ミリシーベルトの解釈は自然界からの被ばくを除く、人口放射線被ばくのみを指します。
放射線計によって計測された数値は自然界からの放射線も含むために1ミリシーベルトの定義からはかけ離れた数値なのです。

自然放射線のうち、天然放射性核種からのものに、内部被ばくや地殻からの放射による外部被ばくを発生する核種としては、大部分はカリウム40によるもので、カリウムは環境中に多量に存在していて生物にとって重要な元素でもありますが、カリウム40は天然に存在するカリウムのうちの0.01%強を占めているため、生物がカリウムを取り込む時に必ずカリウム40が体内に摂取されます。
カリウム40の他に、被ばくをもたらしている自然放射性核種には、ラドン、炭素14が上げられます。
これらの自然界に存在する核種は危険が無いなどと勘違いされ易いですが、生物が長い間に共存するために体内に一定量以上蓄積しない仕組みを作り上げたに過ぎず、カリウム40も炭素14もベータ崩壊する核種なのです。
唯一違いが有るとすれば、人口放射能は生物が今だかって遭遇した事が無く、処理法方を身につけていないのです。
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2009年のストロンチウム90とセシウム137沈着量、土壌調査結果
(団法人 日本分析センターより)
都道府県名 調査地点 測定値(平均値) (単位:Bq/kg)
土壌(0〜5cm)中のSr-90の調査地点と測定値(2009年度 年間平均値)         土壌(5〜20cm)中のSr-90の調査地点と測定値(2009年度 年間平均値)          土壌(0〜5cm)中のCs-137の調査地点と測定値(2009年度 年間平均値)    
                         
(単位:Bq/kg)           (単位:Bq/kg)         (単位:Bq/kg)    
都道府県名 調査地点 測定値(平均値)     都道府県名 調査地点 測定値(平均値)     都道府県名 調査地点 測定値(平均値)
北海道 江別市 3.2     北海道 江別市 2.1     北海道 江別市 14
青森県 五所川原市, 青森市 0.35, 3.1     青森県 五所川原市, 青森市 0.55, 3.7     青森県 五所川原市, 青森市 0.97, 15
岩手県 岩手郡滝沢村 5.6     岩手県 岩手郡滝沢村 6.2     岩手県 岩手郡滝沢村 37
宮城県 大崎市 1.8     宮城県 大崎市 0.97 宮城県 大崎市 2.8
秋田県 秋田市 3.9     秋田県 秋田市 3.8     秋田県 秋田市 22
山形県 山形市 2.2     山形県 山形市 1.3     山形県 山形市 14
福島県 福島市 1.4     福島県 福島市 1.5     福島県 福島市 18
茨城県 那珂郡東海村 7.9     茨城県 那珂郡東海村 8     茨城県 那珂郡東海村 60
栃木県 日光市 14     栃木県 日光市 4     栃木県 日光市 38
群馬県 前橋市 1.1     群馬県 前橋市 1.2     群馬県 前橋市 1.1
埼玉県 さいたま市桜区 0.89     埼玉県 さいたま市桜区゜ 0.73     埼玉県 さいたま市桜区 4.8
千葉県 市原市 検出されず     千葉県 市原市 0.28     千葉県 市原市 0.98
東京都 新宿区 0.36     東京都 新宿区 0.59     東京都 新宿区 1.5
神奈川県 横須賀市 1.8     神奈川県 横須賀市 2.1     神奈川県 横須賀市 4.6
新潟県 柏崎市 0.64     新潟県 柏崎市 0.59     新潟県 柏崎市 5.9
富山県 射水市 検出されず     富山県 射水市 検出されず     富山県 射水市 2.1
石川県 金沢市 4     石川県 金沢市 4.4     石川県 金沢市 24
福井県 福井市 0.36     福井県 福井市 検出されず     福井県 福井市 2.6
山梨県 北杜市 3.4     山梨県 北杜市 3.9     山梨県 北杜市 13
長野県 長野市 5.1     長野県 長野市 4.3     長野県 長野市 45
岐阜県 岐阜市 0.6     岐阜県 岐阜市 0.73     岐阜県 岐阜市 3.3
静岡県 富士宮市 1.7     静岡県 富士宮市 2.2     静岡県 富士宮市 14
愛知県 田原市 0.21     愛知県 田原市 0.3     愛知県 田原市 1.7
三重県 三重郡菰野町 検出されず     三重県 三重郡菰野町 検出されず     三重県 三重郡菰野町 1.1
滋賀県 野洲市 0.34     滋賀県 野洲市 検出されず     滋賀県 野洲市 8.9
京都府 京都市伏見区 0.99     京都府 京都市伏見区 1.1     京都府 京都市伏見区 2.1
大阪府 大阪市中央区 0.27     大阪府 大阪市中央区 0.56     大阪府 大阪市中央区 1
兵庫県 加西市 0.95     兵庫県 加西市 0.39     兵庫県 加西市 0.69
奈良県 橿原市 0.53     奈良県 橿原市 0.5     奈良県 橿原市 3.8
和歌山県 新宮市 検出されず     和歌山県 新宮市 検出されず     和歌山県 新宮市 1.3
鳥取県 倉吉市 検出されず     鳥取県 倉吉市 検出されず     鳥取県 倉吉市 0.14
島根県 大田市 3.1     島根県 大田市 1.5     島根県 大田市 15
岡山県 久米郡美咲町 0.96     岡山県 久米郡美咲町 0.48     岡山県 久米郡美咲町 2.2
広島県 広島市東区 0.57     広島県 広島市東区 1.3 広島県 広島市東区 3.6
山口県 萩市 0.96     山口県 萩市 1.3     山口県 萩市 3.8
徳島県 板野郡上板町 0.55     徳島県 板野郡上板町 0.61     徳島県 板野郡上板町 0.9
香川県 坂出市 1.3     香川県 坂出市 1.6     香川県 坂出市 6.4
愛媛県 松山市 1.2     愛媛県 松山市 0.2     愛媛県 松山市 23
高知県 高知市 2.2     高知県 高知市 3.1     高知県 高知市 15
福岡県 福岡市早良区 2.7     福岡県 福岡市早良区 1.2     福岡県 福岡市早良区 2.5
佐賀県 佐賀市 検出されず     佐賀県 佐賀市 0.23     佐賀県 佐賀市 0.5
長崎県 佐世保市 0.79     長崎県 佐世保市 1.4     長崎県 佐世保市 18
熊本県 阿蘇郡西原村 2.7     熊本県 阿蘇郡西原村 2.4     熊本県 阿蘇郡西原村 38
大分県 竹田市 1.3     大分県 竹田市 1.3     大分県 竹田市 53
宮崎県 宮崎市 0.44     宮崎県 宮崎市 0.39     宮崎県 宮崎市 2
鹿児島県 指宿市 検出されず     鹿児島県 指宿市 検出されず     鹿児島県 指宿市 0.43
沖縄県 うるま市, 那覇市 0.26, 0.26     沖縄県 うるま市, 那覇市 検出されず, 0.55     沖縄県 うるま市, 那覇市 0.65, 1.1
※ 出展  財団法人 日本分析センター 平成21年度  h21_suijun.pdf

以上が平成21年度における、日本全土のストロンチウム90とセシウム137の沈着量です。
あえてこの自然界放射能に上げるには、1950年代から行われた核実験やチェルノブイリ事故によって世界中が被害を受けています。
そして、未だに成層圏にはセシウム137が浮遊し、世界中に年間10ベクレル程の降下量をもたらしています。
現在も極微量が降下していますが、これは、すでに福島由来の降下物と判断出来ないほど微量になっています。
出展 に使った資料にはセシウム134はすでに大きく半減期を経過してまったく検出されない状態ですが、ストロンチウムなどは、平成21年の段階でも微量が検出されていました。
人類は大きな間違いを犯してしまいましたが、私たちが生きている間にこの核種が消える事はありません。
これは、原爆を作った国にも同等に被害をもたらしています。
福島由来の放射性物質も60年も前から核実験を繰り返して残ってしまった放射性物質も両方とも危険な存在に変わりはありません。
ドイツはチェルノブイリで大きな被害を受け、未だに除染が続いています。
核実験やチェルノブイリで作られてしまった放射性物質は、もはや自然界の放射能として存在を認める以外に法方は無いと思い、この自然界放射能として書きこむ事にいたしました。

ただし、福島由来の放射能は成層圏まで舞い上がるだけの威力はありませんでした。
日本人は、まだ戦えはこの福島由来の放射能に勝てる可能性を持っています。   
中越沖地震で新潟も柏崎刈羽原発事故の被害を受けました、行政は過去を教訓にする事無く、隠蔽と怠慢を繰り返していて、国民のセシウムと戦う力を阻害しています。
放出されたセシウムを消す事は出来ませんが、一箇所に封じ込める可能性があります。
まだ戦えば、勝てるだけの可能性があるのです。
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宇宙からの放射線
宇宙から飛来する放射線の量とされる数値は資料によって異なっており、年間0.39ミリシーベルトから2.5ミリシーベルトどさまざまです。
高度が高くなると宇宙からの放射線は空気という遮蔽物が減るために、1,500mごとに約2倍になります。
計算上では、成田-ニューヨーク間の往復の飛行では、0.2ミリシーベルトの放射線を受けるといわれています。
地球磁気圏外の宇宙空間でも同様に被曝線量は1日当たり1ミリシーベルト程度と言われていて、宇宙飛行士の被曝線量は、1日当たり1ミリシーベルト程度にもなります。

追記 宇宙から降り注ぐ宇宙放射性粒子は大気中に突入すると、大気中の窒素と衝突してトリチウム(三重水素)や炭素14を生成します。
特にトリチウムは浮遊性があり、大気中を浮遊していて、雨の日などは、雨と一緒に地上に降下いたします。
これが、雨の日に放射線量が高くなる要因です。

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地殻放射線
地殻中の自然放射性核種から放射線
は地下から大地に含まれる放射性物質などから、年間0.48ミリシーベルト程度の放射線が発生している。これは地下深くになると強まるために、例えばトンネル内では放射線が僅かに強くなります。
地中の放射線物質は花崗岩に多く含まれており、この花崗岩の多い地域では自然放射線が強くなります。
地域により放射線の強弱が出る主要な要因は花崗岩です。

追記 地殻放射線には多くの種類があり、トリウム系を起源とする4n系列、ウラン系を起源とする4n+2系列、アクチニウムを起源とする4n+3系列、ネプツニウムを起源とする4n+1系列、ベータ崩壊系列、アルファ崩壊系列などの他に系列を構成しない系列と多種に及びます。
その中でもトリウム、ウラン、アクチニウム、ネプツニウム系列は必ずトリウムとラジウムへの崩壊をたどります。
ラジウムの崩壊系列は実に多く、短時間でアルファ崩壊を起こす核種ばかりで、線量計では唯一ビスマスのベータ崩壊の一部しか検出する事が出来ません。
そのため、線量計では実際の被ばく量よりも過小評価され易く、実、実効線量は吸引被ばくにおいて線量計の100倍にも及びます。
その上、崩壊生成物の中には、ポロニウムがあり、タバコの発癌物質すら生成しています。

このラジウムについて、日本は矛盾点を抱えていて、温泉と言う商業施設と、放射能の危険性を両立出来ないでいます。
天然のラジウムと、人口的に大量の濃縮を行ったラジウムを同一と考える事に大きな間違いがあり、ラジウム及び崩壊生成物のラドン希ガスの危険性はしっかりと公開するべきなのです。

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飲食物からの被ばく
人が普段口にする水や食物にも極微量の放射性核種が含まれていて、常に内部ひばくしています。
この被ばく量は年間250マイクロシーベルトほどから年間290マイクロシーベルトとされています。
主な内部被ばく源としてはカリウム40や炭素14のような天然に存在する放射性同位体があり。体重60kgの人体にも、カリウム40で4,000から6000ベクレル、炭素14で2,500ベクレルの天然の放射線物質があると言われています。
食品の種類によって放射性物質の量は異なり
バナナ、ジャガイモ、インゲン豆、ナッツ、ヒマワリの種は自然放射能をやや多く持っています。
最も自然放射能が多いのは
ブラジルナッツでラジウム、カリウムを1kgあたり244.2ベクレルも含む物がありますが、毎日食べても人体に影響の無いレベルにすぎません。
ですが原子力事故が発生した今日では、少しでも内部被ばくを減らす事が重要と思います。
自然界からの被ばくは平常時では、問題にする数値ではありませんが、原子力事故時には総量で考える必要があります。

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大気中の放射線源
空気からも年間1.26ミリシーベルトほどの被曝があります。
地球内部から漏れ出て自然に存在するラドンなどの気体がその微弱な放射源で、空気中からのラドンなどの放射性物質の摂取は、呼吸器系に影響を及ぼし、肺癌などのリスクになりうるとして、世界保健機関では屋内ラドン濃度が100ベクレル/m3未満に低減するよう注意を呼びかけています。
また、
ラドンとラジウムは密接な関係があり、ラドンはラジウム崩壊生成物なのです。
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以下に、セシウム(放射性同位体ではなく、安定セシウム)、カリウム40、トリウム系、ウラン系の地殻分布図を表します。
  

  
この他にも地殻由来の放射能は多くあります。

東京都周辺の人口建造物のカリウムマップ
これらの資料はすべて震災以前に作成されたマップで、単にガイガーカウンターの数値で汚染を表す危険を知ってもらいたいと思います。
本来東京、神奈川などは、日本の中でも最もカリウム分布の少ない地域でしたが、コンクリート建造物によってカリウムの持ち込みが多く地殻から判断出来なくなっています。
その他、木造建造物からは、炭素放射性同位体である炭素14が必ず含まれています。
人が自然界から受けている内部被ばくの1/5はこの炭素14と言われていて、カリウム40と炭素14の総計は8000Bqにも及びます。

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自然放射線からの被ばく
ガンマ線によって受ける被ばくは自然界も、人口も差がありません。
内部被ばくは、自然界からの被ばくは基本的に体内でバランスが保たれていますが、原発事故によってバランスが崩されています。
ラドンはアルファ崩壊する核種で、残念ながら放射線計の針を振らす事はありません。
また、ラドンは3回ものアルファ崩壊を経過して鉛になります。
アルファ崩壊の荷重係数はベータ線の20倍も大きなもので、実効線量では
100ベクレルのラドンはセシウム2000ベクレルに匹敵して、崩壊を繰り返しさらに大きな被ばくをもたらします。
自然界からの被ばくは人体影響を及ぼさないなどと言う言葉は迷信にしか過ぎません。
両方の総量を減らすことが、平常時基準に近づける唯一の方法と思います。
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                                                   2011.10.27UP