測定器の信頼性
目次
● 福島県の米検査にベルトコンベアー型Nal核種分析が導入されています
● 比較的安価な放射線測定器の性能試験
● 「Nalシンチレーション核種分析」と「ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線分析」の違い
● ガイガー=ミュラー計数管の特性

● シンチレーション検出器
● 半導体検出器
● 電離箱の原理
● ホールボディカウンタ
● 空間線量測定の弊害
● 線量計は使い方しだいです。

   GM管サーベイメーター
   
 Nalシンチレーション
     サーベイメーター
    ポケットサーベイ
  


福島県の米検査にベルトコンベアー型Nal核種分析が導入されています    
※ ベルトコンベアー型Nal核種分析機は解像度が悪く、検出限界が100Bq近くあります、以下概要

※ 残念ながら、もはやこれは測定器ではありません


比較的安価な放射線測定器の性能試験
  
n-20110908_1.pdf へのリンク
※ 平成23 年9 月8 日に独立行政法人国民生活センターが実施した性能試験です。
多くのガイガーカウンターにおいて、補正が放射線源1m.で補正が行われるために、環境放射線の様な低線量下においては、不安定になるようです。
また、500Bqのセシウムが放つガンマ線は0.007μSv/h程度であり、環境放射線測定器では環境放射線との比較すら計測不可能と考えられます。
また、ガイガーカウンターにてベータ線計測を行った場合においても、食品中のカリウム40が放つベータ線ノイズで基本的に計測不能と考えられます。

この試験結果から、たとえサーベイメーターを使ったとしても、食品中から500Bqのセシウム検出は不可能となります。
サーベイメーターによって食品の一次検査を行っている食品宅配業者の検査は意味が無い事が理解して頂けると思います。
緊急時食品の放射能測定マニュアル  http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/
において検出可能な核種は、サーベイメーターを使ってもバックグラウンドとの差を見つけ出すには、ヨウ素131(2000Bq)が限界です。
                                                               
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「Nalシンチレーション核種分析」と「ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線分析」の違い
                                                     2011.11.13UP

 

左がゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトル分析法によって分析されたスペクトルで右がNalシンチレーション簡易検査による分析結果です。
ご覧の様にスペクトル幅がまるで違います。
ゲルマニウム半導体検出器の場合には下部のスカートがまったく存在しません、簡易形では下部のスカート部を擬似的に判断するしかないのです。
それに比べてゲルマニウム半導体検出器は下のノイズをバックグラウンドとします。

簡易検査はあくまでも限界50ベクレル程度で、今日の暫定基準値をクリアする食品かを見極める程度の性能しか持っていません。
さらに、検体2Kgを使用出来ないのは、限界付近の数値をボケさせてしまいます。

ベクミルは、 http://bq-center.com/bqmil/
LB2045 http://www.berthold-jp.com/products/isotope/pdf/lb2045_web.pdf
の仕様書には書かれていない、10ベクレル検出限界を記載しています。

                                                               
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ガイガー=ミュラー計数管の特性


ガイガー=ミュラー計数管(GM管)は、主に放射線測定装置に用いられる部品の名前で、電離放射線を検知し、その回数をカウントできます。
このガイガー=ミュラー計数管を使用した放射線検出器をGM管放射線計などと呼びます。

GM管は不活性ガスを封入した筒の中心部に電極を取付け陰陽両極に高電圧を掛けますが通電はしてい状態になります。
筒中を放射線が通過すると不活性ガスが電離され、陰極と陽極の間にパルス電流が流れるのでこの通電回数を数え、この回数が多いほどに高い線量と言うことになります。
非常に利得が高く強い信号を得られる半面、この電流の強弱は電子回路により一定化され、放射線の持つエネルギーと比例関係にはならないので、パルス電流(CPS=秒間に検出した放射線本数)が流れた回数の計測のみに使用され、放射線の持つエネルギー(電子ボルト)量を測定することには用いる事はできません。
ゆえにこの装置を用いた線量計は、カウント数からベクレルもしくはシーベルトへの換算表から擬似的に変換する事になりますが、現在は電気的擬似表示される設計となています。

開発は古いのですが、今日でもメジャーな線量測定装置で、GM管にはその原理上、いくつかの固有の限界、弱点があります(俗に言う寿命)。
徐々にカウント欠落が増え、特に高線量計測において顕著です、そため実装は安価な測定器に限定され、表面線量を目安程度に計測するプライベートもしくは補助的な用途にとどまっています。

空間線量や積算線量の計測、学術・産業・業務・公的など実用的な線量計測用途にはより高価なシンチレーション検出器が使用され、放射線などの帯電素粒子を樹脂などに通過させ、この瞬時の現象を光学的に連続検出する装置で、電離パルス回数を計測するGM管より計測結果が様々な使用条件において高精度です。

さらに高度な分析、核種の同定や電子ボルト数値の精密な計測には、素材にゲルマニウムなどを用いた半導体検出器が用いられていますが、これは運用が非常に難しくコストもかかります。

GM管で現在最も普及しているタイプは、1947年にシドニー・H・リープソンが発明したハロゲン管で、このハロゲン管の電流発生でハロゲン分子をイオン化するで、ずっと低い電圧でも動作できます。
ヘリウム、ネオン、またはアルゴンといった不活性ガスでは通常900 - 1,200ボルトが必要なところを400 - 600ボルトで動作します。
また、有機ガスは再結合せず分解される一方ですが、ハロゲンイオンは再結合するので寿命も長くなります。
GM管は中性子は検出でませんし、ベータ線も同時検出しますので、ガンマ線検出のみで使用する場合ベータ線遮断フィルターを用います。

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シンチレーション検出器

シンチレーションは時に、シンチレータとも呼ばれて電離放射線を測定する測定器で、比較的廉価で作ることができる割には計数効率が良いので、広く空間線量計即に使用されています。

シンチレータは、高いエネルギー放射線一個の光子を、多数のより低いエネルギーの光子に変換するのですが、低エネルギー領域では、メガ電子ボルト当たりの光子の数はほとんど一定であることから、蛍光(X線またはガンマ線によって生成された光子の数)の強度を測定することによって、オリジナルの光子のエネルギーを特定することが可能です。

分光計は、適切なシンチレータ結晶や光電子増倍管、光電子増倍管によって製作されたパルス電流の高さを測定するための回路から成りたち、パルスの数を計数し、そのパルスの高さの順にソートすると、シンチレータの蛍光明るさに対する蛍光の数のx-yプロットができます。
これは放射線のエネルギースペクトルと近似していますので、単色のガンマ線はそのエネルギーで光電ピークを作ります。

簡単に説明すれば、通過した放射線を光に変換して、光の強さを計測すると考えて頂ければ良いかと思います。

この検知器は、電子-陽電子対生成の光電ピークより低い、2つの小さなエスケープピーク、や後方散乱ピークといった、低いエネルギーでもレスポンスを示しますが。2つ以上の光子が検知器をほとんど同時に入射すると2つ以上の光電ピークの合計エネルギーを持つピークが現われたように見えるため、より高いエネルギーが検知されることがあります。
シンチレーターによる、ガンマ線分光分析を行う場合は分解能力低いために、シンチレータより高いエネルギー分解能を持つ超高純度ゲルマニウム半導体検知器などの半導体検出器の使用が好まれます。
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半導体検出器

基本的な動作原理は気体電離箱(下記、原理のみを記載)と同じで、放射線が半導体検出器を通過すると、それらによって電離した電子が電子-正孔対を作り出し、これを逆バイアス電場によって電極に集めて計測します。

半導体(固体検出器)を利用した粒子あるいは放射線検出器で、 主にシリコンまたはゲルマニウムが用いられています。
シンチレーション検出器などに比べエネルギー分解能にすぐれており、 関連分野の実験や個人の被曝量を測る線量計(ホールボディーカウンター)など、ガンマ線スペクトルを解析することによる核種の同定などに用いられいます。

他の放射線検出器に比べエネルギー分解能に極めて優れているため、放射線のもつエネルギーを高精密に測定できるため、高エネルギー物理学の実験などで放射線のエネルギーを精密に測定することはもちろん、高い確率で特定のエネルギーを持った放射線を放出する放射性同位体の放射線を測定エネルギーから逆算して求められるので、核テロ対策や、環境放射線の計測などで放射性物質をある程度推定することが可能であるです。
特にGe半導体検出器はガンマ線エネルギー分解能が約2 eVと非常に高いため、今日では核種の同定にはほとんどGe半導体検出器が用いられています。
しかし高い確率で特定の放射線(ベータ線、アルファ線など)しか放出しない核種は、これらの検出器で検出できません。
ですが、ゲルマニウム半導体検出器は、シンチレーション(NaI)検出器に比べ約50倍と極めて高い分解能を誇りますので食品分析などの放射線検出には非常に高い精度で核種の検出が可能になります。
ですから、シンチレーション(NaI)検出器は1/50の分解能力しか持たない事になります。

使い方は非常に複雑で、スペクトル分析の技術を必要とします

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電離箱の原理

電離放射線(アルファ粒子、ベータ粒子、X線、ガンマ線、ミュー粒子などの荷電粒子線など)がこの円筒に入ると、その放射線の通った軌跡に沿って電極間のガスが電離され、正電荷をもつイオンと負電荷をもつ電子に分離すします。
この円筒には電圧がかかっているので、正イオンはマイナスの電極に、電子はプラスの電極に向かって動き、短時間だけ電極間に通電するので、短いパルス電流が発生すします。
この電流を検流計で測定すれば電離反応の数が分かります。
この電離箱の利点は比較的放射線量の大きい環境下においても計測可能な構造であるため、中線量(100mSv程度)の計測に使われます。

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ホールボディカウンタ

ホールボディカウンタ

放射性物質を体内に取り込んだ場合やその可能性が高い場合は、体外から特殊な放射線測定器を用いて直接測定する体外計測法があります。体外計測で全身を測定する装置は、一般にホールボディカウンタ(ヒューマンカウンタまたは全身カウンタ)と呼ばれ、写真4に示すとおり特殊な測定器ですので、取り扱うには基礎知識と訓練が必要です。
なお、この方法は透過性のあるγ線、X線に対して行われますが、α線やβ線のみを放出する核種に対しては適用できません。

また、α線やβ線のみを放出する核種に対しては、便、尿等を測定する生体試料測定法(バイオアッセイ法)があります。測定結果をもとにモデル式にあてはめ、体内に残留している放射能量を計算で推定します。

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空間線量測定の弊害

空間線量の計測には、多くの弊害があります。
その第一は、バックグラウンド線量を同時に計測すると言う弊害が発生します。
このバックグラウンドは宇宙放射線、地殻放射線に大別できますが、地殻由来のカリウム40と炭素14と別にラドンやトリチウム(三重水素)、トリウム、ウランなども含みます、基本は自然界に常に存在する核種です。

日本人の平均被ばく量は自然界からのすべてを含めて、年間2.2ミリシーベルトとも言われています。
ガンマ線の空間線量はこれらの中のカリウム40や炭素14、宇宙放射線から受ける吸収線量率から換算され線量当量率が導かれますが、ラドンなどから放出されるアルファ線などは一般の線量計では計測出来ません。

例えば、0.8マイクロシーベルトの線量が、どれだけの人口放射線を放っているのかなどは、GM管やシンチレーターでは空間線量を計測する事は、ほとんど不可能なのです。
その特性を知った上でなら、線量計の活用は限りなくあります。
第一に他よりも明らかに高い場所の特定などには、最高の威力を発揮します。
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線量計は使い方しだいです。
空間線量を追い求めても、バックグラウンドすら知る事が出来ません。
バックグラウンドよりも明らかに高い数値を出す場所を探す事が一番効果的な使い方です。
凝縮が発生した場所は他の場所の核種が、そこに集約している事であって、逆に考えれば他の場所が少なくなっている事の証明でもあります。

ガンマ線の被ばくを恐れるよりも、強いガンマ線を放つ核種がそこに存在していて、内部被ばくをもたらす温床にならない様にする事が重要なのです。

※私はあえて凝縮(一箇所に集まる)と言う表現をしていますが、濃縮では言葉の意味が違うはずです。
一箇所だけが濃くなるのではありません、一箇所に集約されているのです。
その上で今後も凝縮と書きます。
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