福島第一原子力発電所プラント解析   1ページ
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● 福一電源設備不具合による停電事故の検証
● 3号機、燃料交換機マストのプール内脱落事故の事実検証
● 4号機燃料プールからの本格的燃料搬出が始まります
● 3号機燃料プールからの燃料搬出準備
● 1号機から3号機までの圧力容器の破損が無い事が確認しました。
● 4号機の燃料プール冷却不能について

 4号機燃料プールからの燃料取り出し作業について
● 小出裕章さんが4号機倒壊によって半径250Km圏内は危険だとする事への検証
● 2号機、格納容器に60cmしか水位が無かった事についての検証
● 2号機の圧力容器温度上昇について
● 4号機の耐震性と燃料搬出について
● 原子炉の冷温停止について
● 原発敷地内で高い放射線が観測されている件について

● 原発でキセノンが検出された件について
2号機、格納容器に60cmしか水位が無かった事についての検証

格納容器は元々、水が入っている場所ではありません。
圧力容器に穴が開いているから格納容器に冷却水が溜まっているはず、とするならば確かに格納容器には冷却水がもっと多くあるはずです。
ですが、同時に圧力容器の冷却水は無くなっているはずですが、圧力容器の冷却水は正常の状態です。

ここで格納容器の役目をもう一度解説しておきます。
格納容器は、圧力容器の圧力が上昇した時に一時的に格納容器に圧力を逃がし(蒸気として)圧力容器の圧力を下げるのが格納容器の機能です。
そして格納容器の蒸気はさらにサプレッションチャンバー(圧力抑制室)に導かれてサプレッションプールの水によって冷却されて蒸気は水に戻ります。
元々、格納容器は蒸気が通過する部分でしかないのです。
以下に東電からの報道資料があります。


この写真は非常時(スクラム)圧力容器内の燃料冷却をするための給水ノズル(スプレー系)の配管を切断している様子です。
こんな配管を加工するのは、再循環の構築しかありえないのです。
※ わずかにスプレー系の文字が読めると思います。
給水ノズルを切断するという作業は何を意味するかと言えば、単なる真水の外部からの給水から循環系を確立するための作業なのです。
この循環冷却系は、サプレッションプールの水を外部熱交換器で冷却して圧力容器の燃料を冷却し、サプレッションプールに戻す冷却系になります。
循環冷却を再構築するには一番早い方法で、外部に冷却水プールや無駄な配管を必要とせずに、ダイレクトに燃料を冷却し続ける事が可能になります。
また、循環冷却ですから、汚染水が増加する事もありません。

格納容器に溜まった冷却水が無い=圧力容器から冷却水が落下していない=圧力容器に損傷が無い
実に単純な事なのです。
圧力容器に損傷があったら、現在の圧力容器水位を維持するためには格納容器を満水にしなければ水位は維持が出来ないのです。
これらの現象はまったく見られないどころか、逆に循環冷却が成立している資料を多く入手しています。

事故初期から2号機に異常は見られないと書き続けていますが、格納容器に水位が無い事はさらに異常が無い事の証明でもあります。
実は2mか3mは溜まっているかなと予想はしていましたが、本当に少なかったですね。

燃料が格納容器に落ちてしまっていると想定すると冷却水が足りなくなりますが、燃料が格納容器に落ちたとするには矛盾が多すぎる事ばかりなのです。

なぜ格納容器に水が少なかったのかを検証出来る報道はないのでしょうか?
また、東電の発表に待ったをかけられる学者はいないのでしょうか??

追加  理解し辛いとのご指摘なので、時系列を追加します。
格納容器の冷却水が溜まらない現象が発生するには以下の理由が考えられます。
1  圧力容器、格納容器に穴が開いた状態(チャイナシンドローム)である。
2  すべての機能が正常に機能しているので格納容器には水が溜まっていない。
3  格納容器に水が溜まる状態になるには、圧力容器に穴が開いているが、格納容器はまだ貫通していない状態しか考えられません。
4  格納容器に燃料が落下している状態で、わずか60cmの冷却水であれば、落下した燃料は露出しているはずですが、水温は圧力容器の温度程度と、温度上昇が無い。

以上の4点を考察すると、1と3の状態が発生しているならば、圧力容器には水が溜まらない状態にありますが、初期よりの-2メートルを保っていますので、圧力容器が正常で格納容器も健全でなければ、1と3の現象は否定されます。
1と3が否定されれば、2の圧力容器が健全である事が考察出来ます。
続いて、わずか60cmで格納容器に解け落ちた燃料の冷却と、さらには水温を上げない状態が維持可能かを考えた時に、格納容器には燃料の落下が発生していない可能性が非常に大きくなります。

以上を考えると、2号機はメルトダウンは発生しているが、圧力容器は健全であるとしか結論を導き出せないのです。

handouts_120326_06-j.pdf
 
2号機格納容器第一回撮影      120120_02j.AVI
2号機格納容器第一回撮影      120120_03j.AVI
2号機格納容器第二回撮影      120327_07j.wmv
                                                                     目次へ戻る

2号機の圧力容器温度上昇について
2012/2/6日に発信しましたメールより
2号機の圧力容器温度が上昇している報道についての検証
2号機、3号機はまだ循環冷却が構築出来ない状態にあるとHPで回答していましたが、今回2号機の循環冷却系が少しずつ完成している兆候を見つけました。
理由は以下に
1 圧力容器温度が上昇しているにもかかわらず、サプレッションプール温度が下降し続けている。
2 圧力容器温度が上昇しているにもかかわらず、緊急時給水ノズル温度が上昇していない。
3 圧力容器温度が上昇しているにもかかわらず、格納容器'(DW)の温度上昇がみられない。
以上の現象から、今までは注水だけに頼っていた冷却を熱交換器を使用した緊急時冷却系からの循環冷却系に切り替えるテストが行われていると判断しています。
一号機の様に安定するまではテストが繰り替えされるはずですから、しばらくは温度的に不安定になる可能性がありますが2週間程度で安定すると考えられます。
 
また、圧力容器の温度が上昇するという現象は、燃料が圧力容器に現在もある事の証明でもあり、2号機の圧力容器は健全性が保たれている証明でもあります。
 
ひとつ補足いたしますが、再臨界が発生した場合はこの程度の温度上昇では済まない程の温度上昇が発生いたします。
また、中性子吸収剤(ホウ酸)は国内とアメリカ、フランスから供与を受け300トン程が福一にあります。

検証 1
2号機パラメーターより http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/images/csv_temp_data_2u-j.csv
以下は問題となっている、CRDハウジング上部温度と圧力容器下部温度を計測していた温度計が示した温度で、原発から一ヶ月が経過した時の温度です。
この温度計は、マイナスの温度を示した温度計とセンサーです。
事故初期の異常な高温のために温度センサーの白金とロジウム接合部が切断しかかっていると考えられます。
この温度センサーは熱電対と呼ばれるもので異種金属を接合すると温度によって電流が流れる事を利用したセンサーですが、異種金属のため完全な接合が出来ない欠点を持っていて温度によって頻繁に壊れます。

2011/4/18 6:00 158.6 65.3 141.8 -9.8 -114.5
2011/4/18 12:00 158.2 65.4 140.9 -14.4 -114.9
2011/4/18 13:00 140.8 -3.8 -114.7
2011/4/18 18:00 156.5 65.4 140 -14.4 -114.4
2011/4/19 0:00 154.1 65.4 138.2 -35.7 -114.3
2011/4/19 6:00 152 65.4 136.5 -71.1 -114.2
2011/4/19 12:00 149.9 65.6 135.4 -114.6 -114.4
2011/4/19 18:00 147.9 65.7 134.6 -114.7 -114.4


※ 熱電対見本 下の丸い玉は異種金属の接合部、参考としてCDディスクの上で撮影しました。
大きさを比較してください。

検証 2
同パラメーターより、格納容器温度(DW HVH)がまったく上昇していません。
この現象は圧力容器の温度が上がった場合には格納容器の温度も顕著に上昇する事になります。
また、燃料がすべて格納容器に落ちてしまったと言われているはずの2号機でなぜ圧力容器の温度が上がるのでしょうか?
また、燃料が格納容器に落ちてしまっているはずですが、常に圧力容器温度が高いのはなぜでしょうか?
格納容器の温度は昨年の9月26日以来100℃以下になっています、そして現在は40℃程で落ち着いています。
もちろん上がる兆候はまったくありません。

検証 3
サプレッションプールの水温も安定しています。

検証結果から
2月6日から格納容器の温度が一揆に10℃程降下しています、この現象は注水ではなく、熱交換器を用いた循環冷却が確立した事を物語っています。
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4号機の耐震性と燃料搬出について

2012/2/6日に発信しましたメールより
4号機の耐震性についていくつかのご質問がありましたが、4号機のプールから燃料搬出の準備が始まっています。
4号機上部の瓦礫の撤去はかなり進んでいて、早い段階で使用済み燃料の搬出が行われると考えられます。
元々4号機には燃料が入っていない運転休止状態だったので、プールから使用済み核燃料の搬出を優先していると思われます。
 
詳しくは、もう少し検証してHPに公開いたします

検証
4号機の燃料プールは、先日ビデオカメラが入りました。
現状ではプール内の瓦礫はかなり撤去されていて使用済み燃料の搬出は近いと考えられます。
公開された映像  120210_02.wmv

4号機の圧力容器には定期点検中の事故であったために燃料が入っていません。
そのために4号機は使用済み燃料の搬出が終了すればプールの水を空にする事が可能です。
先日メールを差し上げました様に、4号機の瓦礫は震災直後から比べて綺麗に片付きはじめています、燃料運搬トレーラーの確認ができれば使用済み燃料の搬出作業が行われる目安となります。

産経新聞 2月10日(金)20時48分配信
 東京電力は10日、福島第1原発4号機の燃料貯蔵プールの動画を公開した。9日に水中カメラを使い、プール内の状況や水の透明度を調べた。
映像には、プールの底にある燃料の上に、多数のがれきが落ちている様子が写っている。燃料を持ち上げるための取っ手の周辺にも細かいがれきが散乱。プール内の視界は約5メートルだった。東電は今後、燃料取り出しに向け、ロボットや水中掃除機などを使いがれきの撤去を進める方針。
4号機のプールには1〜4号機で最多の1535本の燃料があり、廃炉工程表では平成25年末までの燃料取り出し着手が目標となっている。


  福島第一原発4号機、事故直後の燃料プールへの注水風景


  福島第一原発4号機、2012年1月20日撮影

以上の二枚の写真より二つの事が分かります。
一つ目は注水ポンプ車がすでに稼動していません。
これは空冷チラーユニットによる循環冷却が確立している事を示し、プールへの注水が必要無くなったのです。

二つ目は事故直後の燃料プール上部の鉄骨や瓦礫がかなりの部分が撤去され、プール内の燃料搬出が近い事が見て取れます。
東電では平成25年を目処にと記者会見していますが、おそらく年内の早い段階で搬出が始まると思います。

以下は福島第一原発の燃料プールにある燃料集合体の本数です。
ただし、共通プール内にある燃料集合体はこの中に含まれません。




※ 残念ながら、1号機、2号機、3号機共に簡単に燃料搬出できる状態にはありません。
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福島市の定時降下物が一時的に上昇した件について

すでにメールを差し上げていますが、添付は、昨日文科省より発表された資料です。
  1285_020618[1].pdf

予測では地面の粉塵ではないかと予測していますが、森林から放たれた浮遊塵と考える事が正しいと判断します。
理由は花粉同様に枝を少し揺らしただけで飛び散る環境が、まだ存在しています。
現在、文科省、農水省、厚労省と単独で、人材の共有どころか、情報の共有すら行われていない縦割りの組織で、給食の検査基準すら利権を争っている状態です。
 
森林のセシウム降下量と沈着量は農水省管轄であり、今回の福島市への降下物観測は文科省管轄にあります。
まったく情報の共有化が出来ていない状態です。
人材の共有化を進めるためには文科省、農水省、厚労省が原発問題を総括する組織を立ち上げでお互いの情報を共有する組織を作らなければ解決出来ない問題です。
にも関わらず、農水省と文科省は40ベクレルか50ベクレルかで陰で争いをしているありさまです。
主導権争いでは何も解決しません!
問題は原発から今も発生しているセシウムかどうかではありません。
現在もセシウムが飛散する状態にある事が問題で、解決する術を表す事が最重要課題なのです。
432ベクレルは4月の東京都に降ったセシウム総量に匹敵する程の値です、要因を示した所で解決しません。
現在も福島市が危険な状態に置かれている解決策にはならないのです。

※福島市の降下物情報
                                                                     目次へ戻る

 原子炉の冷温停止について

以下に12月17日のパラメーターを書き出します。

1号機
給水ノズルN4B(終端)33.8
給水ノズルN4C(終端34.9
圧力容器下部34.6
D/W HVH戻り( HVH-12C)37.3
S/C(サプレッションチャンバーもしくは、圧力制御室)プール水温度A43.8
S/C(サプレッションチャンバーもしくは、圧力制御室)プール水温度B43.7
34.3 34.5 33.8 32.1 34.9 35.3 35 34.6 37.6 37.1 39.8 37.2 37.7 36.6 36.7 37.2 36.6 37.3 36.1 43.8 43.7
1号機は給水ノズル(スプレー系)がD/W(格納容器)温度とS/C(圧力制御室)プール温度を下回っています。
特にS/Cプールの温度とは開きがあります。
これは、S/Cプールの水をくみ上げ、冷却してスプレー系から燃料を冷やし、温まった冷却水をS/Cプールへ戻す循環冷却系が構築されなければこの現象は発生しません。

2号機
給水ノズル62.7
圧力容器下部66
D/W HVH戻り( HVH-12C)66.5
S/Cプール水温度A47.9
S/Cプール水温度B47.8
74.4 29.1 62.7 62.6 66 64.6 62.8 66.5 65.4 48.2 47.9 47.8
1号機とはまったく違う温度分布を示していて、S/Cプール水温度が低い状態にあります。
循環冷却系が構築されていな事を意味しています。

3号機
給水ノズル56.3
圧力容器下部63
D/W HVH戻り( HVH-12C)57.2
S/Cプール水温度A36.5
S/Cプール水温度B36.6
56.3 54.3 55.8 63 64.2 58.9 51.5 58.8 37.1 57.2 69.9 36.5 36.6
1号機とはまったく違う温度分布を示していて、S/Cプール水温度が低い状態にあります。
循環冷却系が構築されていな事を意味しています。

つまり、2号機、3号機は未だに循環冷却系が構築できずに注水に頼り、汚染水を地下に垂れ流す状態が続いているはずです。

冷温停止とは、温度が下がった状態であり、もはや冷却の必要が無くなり、原子炉から燃料を取り出せる状態の事をいいます。
つまり、事故を起こして燃料を取り出せなくなった原子炉に適応する言葉ではありません。
この事は海外メディアからも非難の嵐になっています。
少なくとも、2号機、3号機は安定した冷却系を確保されていません。
                                                                     目次へ戻る

 原発敷地内で高い放射線が観測されている件について              2011.11.13UP

今日のニュースでは最大60マイクロ時と報道されていましたが、最大60マイクロ時であれば、かなり除染が進行していると思います。
数ヶ月前は最大100マイクロ時を超えていた場所がありましたから作業環境は平均7〜10マイクロ時以内と思います。
この環境下であれば、1年働いても250ミリ年にはなりませんからリスクは最小限に抑えられます。

実際には、半径20Kmを超えても、定点測定で34マイクロを超える場所すら存在しています。


2011年9月の線量


20Km圏外でも定点以外では、100マイクロ時を超えている所は現在でもあります。
一日その場所にいたら、平常時基準の1ミリを超えて2ミリシーベルト以上となってしまいます。

2、3日はこの報道が主役ですから、公開したのは、また裏があるのかなと…
                                                                     目次へ戻る

 原発でキセノンが検出された件について                         2010.11.03

使用中の燃料にはプルトニウム240と言う核生成物が含まれています。
このプルトニウム240は自然核分裂を発生する核種でプルトニウム239よりも中性子を多く持っています。
そのため、臨界など起こらなくても、キセノンは少量は発生いたします。
もちろん、臨界が発生していれば大量のキセノンが発生しますが、炉内の作用として、キセノンが発生すると今度はそのキセノンが臨界で発生している中性子を吸収していまうためにキセノンは原子炉毒と呼ばれ、臨界している燃料を抑えてしまう働きを持っています。

キセノンは臨界によって発生し、その臨界を抑える働きをします。
この現象をキセノンオーバーライトと言って、正常な原子炉ではこのキセノンの発生を最小限に抑える燃料配置がされています。
ですが、溶融が起こった燃料は未臨界でも自然核分裂をするプルトニウム240があれば、少量のキセノンの発生は当然発生すると思います。
臨界と核分裂は違います、ウラン235でもわずかですが、自然核分裂をしている事は確認されています。

日本には、この程度の現象を解説出来る人もいないのでしょうか?
それとも、TPPの目くらましでしょうか?
ヨウ素の増加も無いのに、臨界とは?
日本の学者って何なんでしょうか?

キセノンは臨界の指標になりますが、炉内の臨界指標とはなりません。

一部訂正 自己核分裂=自然核分裂 知識が古いので表現に行き違いがある箇所があると思いますが、お許しください。
放射性キセノンは現在でも微量ではありますが、定量的に自然界に存在する核種であり、ウラン235が地球上に存在する限り発生します。

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