福島第一原子力発電所プラント解析   3ページ
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● 福一電源設備不具合による停電事故の検証
● 3号機、燃料交換機マストのプール内脱落事故の事実検証
● 4号機燃料プールからの本格的燃料搬出が始まります
● 3号機燃料プールからの燃料搬出準備

● 
1号機から3号機までの圧力容器の破損が無い事が確認しました。
● 
4号機の燃料プール冷却不能について
 
4号機燃料プールからの燃料取り出し作業について
● 
小出裕章さんが4号機倒壊によって半径250Km圏内は危険だとする事への検証
● 
2号機、格納容器に60cmしか水位が無かった事についての検証
● 
2号機の圧力容器温度上昇について
● 
4号機の耐震性と燃料搬出について
● 
原子炉の冷温停止について
● 
原発敷地内で高い放射線が観測されている件について
● 
原発でキセノンが検出された件について
1号機から3号機までの圧力容器の破損が無い事が確認されました。

2012.9.11日現在、1号機から3号機までの炉心冷却が循環型空冷冷凍チラーユニットによって冷却されている事を確認しました。

以下福島第一、1号機の略図です


下図は正常運転時の制御システム系統です。
 

スクラム系炉心冷却装置


正常運転時は発生した蒸気は主蒸気管からタービンに送られ、発電機を回した後の蒸気は腹水器によって水に戻されて再び原子炉に送られます。
したがって、上の図のシーケンスは正常時には稼動する事のない冷却系となります。
ですがこれでは難し過ぎますので、東電が現在冷却している構成を下図に表します。

スクラム後は隔離弁が閉じて原子炉のみが完全に独立した冷却だけを行う制御系統に切り替わります。
サプレッションプールからくみ上げられた冷却水は非常用スプレー配管に送られてシャワー状にされて圧力容器上部から炉心を冷却し、また、サプレッションプールに戻ります。
そしてサプレッションプールの水は海水を使った熱交換器によって冷却されます。
実際は上図の様に、もっと複雑なのですが簡素化して説明ます。

下図が、スクラム後の一番シンプルな炉心冷却となります。
※ スクラムについて付け加えますが、スクラム直後は最優先で未臨界を達成するべく制御棒が差し込まれ4秒以内に全制御棒が挿入されます。

        

チラーユニットを使った循環冷却は、東電の発表によれば下図の様に解釈されます。


ですがここで一つ問題が発生します。
プラントパラメーターによればサプレッションプール温度も圧力容器温度と同一の23℃を示していますので、この方法ではサプレッションプール水が冷却されない事になります。
おそらく簡易的な解説であったためにサプレッションプール冷却系統を省略したのだと思います。

と、考えると下図の系統で現在冷却が続けられていると思います。



ここで万一圧力容器が破損していた場合、循環冷却系統をどう構築出来るかを考えてみました。



圧力容器が破損していた場合、格納容器に落ちた冷却水をサプレッションプールに送る系統が必要になりますが、この方法では各水位レベルを安定させる事は不可能になります。
それに、格納容器下部に配管を接続するには地下滞留水がまだ全部撤去されていません。
また、2号機の格納容器をビデオ撮影した時に水位が60cmだった事を覚えているでしょうか?
つまり、この方法では循環冷却系は構築出来ないのです。
また、循環系を確立する最短の方法はスプレー系配管を利用する事が一番の近道だと言う事が理解出来たと思います。
以下3月26日の検証結果より、再循環系の構築について触れています。
● 
2号機、格納容器に60cmしか水位が無かった事についての検証


2回、2号機格納容器にビデオカメラが入っていますが、落下した燃料の痕跡すら見つかっていません。
また、壊れたとされている2号機の格納容器に60cmの水位があった事から格納容器も健全である証明でもあります。

1 循環冷却が構築された事
2 この循環冷却が構築されると同時に地下滞留水の処理が一気に進んでいる事
3 下の写真に上げるチラーユニット冷却が大きなトラブルが無く運転され、水温23℃まで下げられた事

以上から1号機から3号機まで、圧力容器に破損は無かった事が立証されました。


注水流量が低下した事については「注水」との書き方に間違いがあります、「循環水流量」と改めるのが正しいと思います。

また、一時的に流量が低下した問題は以下の様にフィルターに付着したスラッジによって流量低下が発生しました。


 炉心冷却用冷凍チラーユニット


 ストレーナーに付着したスラッジ


 回収したスラッジ


 配管内スラッジ

以下福島第一原発のプラントパラメーター
プラントの水位・圧力データ
csv ( 1号機2号機3号機
ラントの温度データ

csv ( 1号機2号機3号機5・6号機
2012年、3月以降のプラントパラメーターが必な方はメールを下さい。
1週間間隔のPDFとなりますので、少々? かなり? 膨大な資料となります。

追加検証
スラッジの原因として考えられる事

圧力容器は160mmの鋼材(鉄)ですが、内張りに5.6mmのステンレスを使用しています。
検出されたスラッジは酸化した鉄が主のようです。
これらから考えられる事は、圧力容器の内張りがかなりの損傷を受けている可能性があります。
循環水の放射線量は33〜40μSv/cm3と、かなり高い数値を示していますので炉心の損傷は疑いの無い事実で大きな損傷を受けていると思います。

流量は毎時5トン程しかありませんので、一般家庭が風呂に水を張るよりも少し多い程度の流量になります。
もし、圧力容器が損傷を受けているとしたらこの程度の流量では圧力容器の水位は保てない事になります。

なによりも、圧力容器温度よりもD/W(格納容器)温度が同等か低くなっています。
もしも、格納容器に燃料が落下していたら、この現象は説明が困難になります。
もちろん原発事故初期より、圧力容器温度よりD/W温度が低い事がプラントパラメーターより読み取れます。
東電の検証でも、この説明は実測値と検証結果が合致しないとしています。
また、東電の1号機の検証で3/12日の午前4時頃に圧力容器の急激な圧力低下が発生した事を根拠に圧力容器が破壊し、燃料落下が発生したと報告していますが、私の検証ではトップページにも記載されていますが、圧力容器の設計限界で逃がし安全弁が作動し、一気に圧力容器の圧力が格納容器に逃げたはずと検証しています。
実はこれについては前例があり、スリーマイル事故の最大の要因は、この逃がし安全弁が開いたまま閉じなくなったために、大量の冷却水が川に流出したのです。

この逃がし安全弁は正常運転時には必要が無い代物で、不慮の事故の際に圧力容器破損を防ぐために取り付けられている安全装置なのです。

圧力が低下した事と破壊を結びつけて検証すると、どうしても実測値とのギャップが発生しますが、圧力低下の原因はただ一つではありません、いくつもの要因が考えられます。
多くの因子から実測値と合致する道筋を見つけるのが検証です。

2号機の格納容器損傷についても、急激な圧力低下と鈍い振動音が発生した事を根拠に、格納容器が破損したとしていますが、その後に圧力容器圧力が回復した原因が解析不能となっています。
私の検証としては、ベント管に蒸気から水に戻ってしまった水が配管を塞ぎ、圧力によって一気に放出されたと解釈いたしました。
この場合配管の振動と大きな破裂音が発生し、一気に圧力が低下します。
もちろん、その後、圧力は回復します。

東電のシュミレーションとの対比       2012.9.14UP
以下は格納容器(ドライウエル=D/W)とウエットウエル(圧力抑制室=サプレッションチャンバー)が、RVP(圧力容器)破損となった場合にどのような圧力を示すかをシュミレーションしたグラフです。


圧力容器が破損した場合、即座にドライウエル、ウエットウエル圧力が上昇します。
この時には圧力容器、格納容器、サプレッションチャンバーの圧力は等しくなるのです。

以下は圧力容器破損に伴う水位の変化をシュミレーションしたグラフです。


PVR破損、では圧力容器水位はゼロになります。
福島第一原発の1号機から3号機は、圧力容器破損時に発生する、もっとも基本的な圧力変動と、水位変動が見られないのです。

1号機について、東電がシュミレーションした、落下した燃料デブリの様子です。


1号機の解析結果です。
1号機、時系列の解析   2012.9.15UP

これらの検証は東電はもとより、政府の事故調とも意見が対立しますが、検証と実測値に不具合は生じていません。
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4号機格納容器カバー撤去
撤去された容器カバー(蓋)です、この重量は約600トンで、4号機のオペレーションフロアはさらに軽量となりました。



予告しました3号機のオペレーションフロア解体の準備が整いました。


3号機の使用済み燃料プールは瓦礫が多く、解体終了後もプール内の瓦礫処理に時間が必要と思われます。
使用済み燃料の搬出開始は来春頃と推測します。

引き続いて、4号機圧力容器カバーも撤去されました。   2012.9.15UP


重いのは間違いありませんが、格納容器カバーから比べれば耐震に影響を及ぼす重量ではありません。

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                                                   2012.9.15UP